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最高裁判所判例集

事件番号

 平成21(あ)360

事件名

 名誉毀損被告事件

裁判年月日

 平成22年3月15日

法廷名

 最高裁判所第一小法廷

裁判種別

 決定

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 刑集 第64巻2号1頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

 平成20(う)1067

原審裁判年月日

 平成21年1月30日

判示事項

 1 インターネットの個人利用者による名誉毀損と摘示事実を真実と誤信したことについての相当の理由
2 インターネットの個人利用者による名誉毀損行為につき,摘示事実を真実と誤信したことについて相当の理由がないとされた事例

裁判要旨

 1 インターネットの個人利用者による表現行為の場合においても,他の表現手段を利用した場合と同様に,行為者が摘示した事実を真実であると誤信したことについて,確実な資料,根拠に照らして相当の理由があると認められるときに限り,名誉毀損罪は成立しないものと解するのが相当であって,より緩やかな要件で同罪の成立を否定すべきではない。
2 インターネットの個人利用者が,摘示した事実を真実であると誤信してした名誉毀損行為について,その根拠とした資料の中には一方的立場から作成されたにすぎないものもあることなどの本件事実関係(判文参照)の下においては,上記誤信について,確実な資料,根拠に照らして相当の理由があるとはいえない。

参照法条

 (1,2につき) 刑法230条1項,刑法230条の2第1項

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