裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
平成20(受)1392
- 事件名
各損害賠償,理事会決議無効確認等請求事件
- 裁判年月日
平成22年3月18日
- 法廷名
最高裁判所第一小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
破棄差戻
- 判例集等巻・号・頁
集民 第233号255頁
- 原審裁判所名
東京高等裁判所
- 原審事件番号
平成18(ネ)162
- 原審裁判年月日
平成20年5月22日
- 判示事項
学校法人の理事長AがBとの間で,Aを始めとする同法人の旧理事らは辞任し,同法人の理事会においてB及びその推薦する者を後任の理事に選任する決議をすること,Bの責任において,同法人の借入金債務について,債権者である金融機関と交渉して旧理事らの連帯保証債務を免れさせることなどを合意し,これに従い旧理事らが辞任の意思表示及び理事会における議決権の行使をした場合において,旧理事らにおいて,Bには旧理事らの連帯保証債務を免れさせるという債務を履行する能力があると信頼したにもかかわらず,実際にはその能力がなかったとしても,上記の意思表示又は議決権行使が要素の錯誤により無効であるとはいえないとされた事例
- 裁判要旨
学校法人の理事長AがBとの間で,Aを始めとする同法人の旧理事らは辞任し,同法人の理事会においてB及びその推薦する者を後任の理事に選任する決議をすること,Bの責任において,同法人の借入金債務について,債権者である金融機関と交渉して旧理事らの連帯保証債務を免れさせることなどを合意し,これに従い旧理事らが辞任の意思表示及び理事会における議決権の行使をした場合において,旧理事らにおいて,Bには旧理事らの連帯保証債務を免れさせるという債務を履行する能力があると信頼したにもかかわらず,実際にはその能力がなかったとしても,上記信頼が,同法人の理事に大物の就任が予定されているなどの説明を受けたことによるものであって,その説明の内容が上記の意思表示及び議決権行使の当時現実に存在した事柄であり,Bの資力,資金調達の見込み等,上記債務の履行可能性を左右すべき重要な具体的事実に関する認識に誤りがあったとはうかがわれないなど判示の事情の下においては,旧理事らの上記信頼が表示されていたか否かにかかわらず,上記の意思表示又は議決権行使が要素の錯誤により無効であるとはいえない
- 参照法条
民法95条
- 全文