裁判例検索

裁判例結果詳細

最高裁判所判例集

事件番号

 平成14(あ)973

事件名

 公正証書原本不実記載,同行使,殺人未遂被告事件

裁判年月日

 平成16年1月20日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 決定

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 刑集 第58巻1号1頁

原審裁判所名

 名古屋高等裁判所

原審事件番号

 平成13(う)268

原審裁判年月日

 平成14年4月16日

判示事項

 自殺させて保険金を取得する目的で被害者に命令して岸壁上から自動車ごと海中に転落させた行為が殺人未遂罪に当たるとされた事例

裁判要旨

 自動車の転落事故を装い被害者を自殺させて保険金を取得する目的で,極度に畏怖して服従していた被害者に対し,暴行,脅迫を交えつつ,岸壁上から車ごと海中に転落して自殺することを執ように要求し,被害者をして,命令に応じて車ごと海中に飛び込む以外の行為を選択することができない精神状態に陥らせていたなど判示の事実関係の下においては,被害者に命令して岸壁上から車ごと海中に転落させた行為は,被害者において,命令に応じて自殺する気持ちがなく,水没前に車内から脱出して死亡を免れた場合でも,殺人未遂罪に当たる。

参照法条

 刑法38条,刑法199条,刑法202条,刑法203条

全文