裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
平成2(あ)946
- 事件名
業務上過失致死傷
- 裁判年月日
平成5年11月25日
- 法廷名
最高裁判所第二小法廷
- 裁判種別
決定
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
刑集 第47巻9号242頁
- 原審裁判所名
東京高等裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
平成2年8月15日
- 判示事項
ホテルの火災事故においてホテルを経営する会社の代表取締役に業務上過失致死傷罪が成立するとされた事例
- 裁判要旨
ホテルの客室から出火し、スプリンクラー設備やこれに代わる防火区画が設置されておらず、従業員らにおいても適切な初期消化活動や宿泊客らに対する通報、避難誘導等ができなかったため、多数の宿泊客らが死傷した火災事故において、ホテルを経営する会社の代表取締役社長として、ホテルの経営、管理業務を統括する地位にあり、その実質的権限を有していた者には、スプリンクラー設備又はこれに代わる防火区画を設置するとともに、防火管理者を指揮監督して、消防計画を作成させて、従業員らにこれを周知徹底させ、これに基づく消防訓練及び防火用・消防用設備等の点検、維持管理等を行わせるなどして、あらかじめ防火管理体制を確立しておくべき注意業務を怠った過失があり、業務上過失致死罪が成立する。
- 参照法条
刑法(平成3年法律31号による改正前のもの)211条
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