裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
平成5(し)40
- 事件名
再審請求棄却決定に対する異議申立て棄却決定に対する特別抗告
- 裁判年月日
平成9年1月28日
- 法廷名
最高裁判所第三小法廷
- 裁判種別
決定
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
刑集 第51巻1号1頁
- 原審裁判所名
名古屋高等裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
- 判示事項
一 再審請求段階で新たに提出された証拠により確定判決の有罪認定の根拠となった証拠の一部について証明力が大幅に減殺された場合における刑訴法四三五条六号にいう「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」に当たるか否かの判断方法
二 再審請求段階で新たに提出された証拠により確定判決の有罪認定の根拠となった証拠の一部について証明力が大幅に減殺されても右新証拠が刑訴法四三五条六号にいう「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」に当たらないとされた事例
- 裁判要旨
一 再審請求段階で新たに提出された証拠により確定判決の有罪認定の根拠となった証拠の一部について証明力が大幅に減殺された場合に刑訴法四三五条六号にいう「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」に当たるか否かは、再審請求後に提出された新証拠と確定判決を言い渡した裁判所で取り調べられた全証拠とを総合的に評価した結果として、確定判決の有罪認定につき合理的な疑いを生じさせ得るか否かにより判断すべきである。
二 再審請求段階で新たに提出された証拠により確定判決の有罪認定の根拠となった証拠の一部について証明力が大幅に減殺されても、これのみにより直ちに確定判決における有罪認定につき合理的な疑いが生じたり、確定判決の有罪認定の根拠となった他の証拠の証明力が否定される関係になく、新旧全証拠を総合して検討しても、情況証拠及び申立人の自白を総合すれば、確定判決の有罪認定に合理的な疑いを生ずる余地がないという判示の事情の下においては、当該新証拠は刑訴法四三五条六号にいう「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」には当たらない。
- 参照法条
刑訴法435条6号
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