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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和55(あ)1122

事件名

 外国人登録法違反

裁判年月日

 昭和57年3月30日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 刑集 第36巻3号478頁

原審裁判所名

 大阪高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和55年5月30日

判示事項

 一 本邦に不法に入つた外国人に対し外国人登録法三条一項、一八条一項の適用を認めることと憲法三八条一項
二 旅券に代わるべき書面として提出を求める陳述書等に不法入国に関する具体的事実の記載を示唆する等の取扱いのもとにおいて不法入国外国人に対し外国人登録法三条一項違反の罪の成立を認めることと憲法三八条一項

裁判要旨

 一 本邦に不法に入つた外国人に対し外国人登録法三条一項、一八条一項の適用を認めても、憲法三八条一項にいう「自己に不利益な供述」を強要したことにならない。
二 不法入国外国人の登録申請を受理するにあたり、旅券に代わるべき書面として提出を求める陳述書及び理由書に、不法入国に関する具体的事実の記載を示唆する取扱いをしていた場合であつても、右陳述書等に不法入国に関する具体的事実の記載をするのでなければ外国人登録の申請を適法なものとはしないという取扱いをしていたとまでは認められないときは、かかる取扱いのもとにおいて、法定の期間内に登録申請手続をしなかつた不法入国外国人に対し外国人登録法三条一項違反の罪の成立を認めることは、憲法三八条一項に違反しない。

参照法条

 外国人登録法(昭和55年法律64号による改正前のもの)3条1項,外国人登録法(昭和55年法律64号による改正前のもの)18条1項,外国人登録法施行規則2条1項,憲法38条1項

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