裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
昭和58(あ)909
- 事件名
公職選挙法違反
- 裁判年月日
昭和59年1月27日
- 法廷名
最高裁判所第一小法廷
- 裁判種別
決定
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
刑集 第38巻1号136頁
- 原審裁判所名
東京高等裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
- 判示事項
一 交付された金銭等が交付者との共謀の趣旨に従い受交付者から第三者に供与された疑いがある場合と交付罪による起訴の可否
二 交付された金銭等が交付者との共謀の趣旨に従い受交付者から第三者に供与された疑いがある場合において交付罪で起訴された者に対する審理方法
- 裁判要旨
一 甲が、選挙運動者たる乙に対し、公職選挙法二二一条一項一号所定の目的をもつて金銭等を交付したと認められるときは、たとえ、甲乙間で右金銭等を第三者に供与することの共謀があり乙が右共謀の趣旨に従いこれを第三者に供与した疑いがあつたとしても、検察官は、立証の難易等諸般の事情を考慮して、甲を交付罪のみで起訴することが許される。
二 甲が乙に対する金銭等の交付罪で起訴されたときは、たとえ、甲乙間で金銭等を第三者に供与することの共謀があり乙が右共謀の趣旨に従いこれを第三者に供与した疑いがあつたとしても、裁判所は、訴因の制約のもとにおいて、甲についての交付罪の成否を判断すれば足り、訴因として掲げられていない乙との共謀による供与罪の成否につき審理したり、検察官に対し右供与罪の訴因の追加・変更を促したりする義務を負うものではない。
- 参照法条
公職選挙法221条1項1号,公職選挙法221条1項5号,刑訴法247条,刑訴法248条,刑訴法312条,刑訴法378条3号
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