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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和59(あ)1699

事件名

 傷害致死

裁判年月日

 昭和62年3月26日

法廷名

 最高裁判所第一小法廷

裁判種別

 決定

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 刑集 第41巻2号182頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和59年11月22日

判示事項

 傷害致死につき誤想過剰防衛であるとされた事例

裁判要旨

 空手三段の在日外国人が、酩酊した甲女とこれをなだめていた乙男とが揉み合ううち甲女が尻もちをついたのを目撃して、甲女が乙男から暴行を受けているものと誤解し、甲女を助けるべく両者の間に割つて入つたところ、乙男が防衛のため両こぶしを胸に前辺りに上げたのを自分に殴りかかつてくるものと誤信し、自己及び甲女の身体を防衛しようと考え、とつさに空手技の回し蹴りを乙男の顔面付近に当て、同人を路上に転倒させ、その結果後日死亡するに至らせた行為は、誤信にかかる急迫不正の侵害に対する防衛手段として相当性を逸脱し、誤想過剰防衛に当たる。

参照法条

 刑法36条,刑法38条,刑法205条1項

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