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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和60(あ)427

事件名

 覚せい剤取締法違反

裁判年月日

 昭和61年4月25日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 判決

結果

 破棄差戻

判例集等巻・号・頁

 刑集 第40巻3号215頁

原審裁判所名

 大阪高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和60年2月27日

判示事項

 尿の提出及び押収手続は違法性を帯びるが尿についての鑑定書の証拠能力は否定されないとした事例

裁判要旨

 覚せい剤使用事犯の捜査に当たり、警察官が被疑者宅寝室内に承諾なしに立ち入り、また明確な承諾のないまま同人を警察署に任意同行したうえ、退去の申し出にも応ぜず同署に留め置くなど、任意捜査の域を逸脱した一連の手続に引き続いて尿の提出、押収が行われた場合には、その採尿手続は違法性を帯びるものと評価せざるを得ないが、被疑者に対し警察署に留まることを強要するような警察官の言動はなく、また、尿の提出自体はなんらの強制も加えられることなく、任意の承諾に基づいて行われているなどの本件事情の下では(判文参照)、その違法の程度はいまだ重大であるとはいえず、右尿についての鑑定書の証拠能力は否定されない。

参照法条

 憲法31条,憲法35条,刑訴法1条,刑訴法218条1項,刑訴法221条

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