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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和62(あ)1283

事件名

 公正証書原本不実記載、同行使、詐欺

裁判年月日

 平成3年2月28日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 決定

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 刑集 第45巻2号77頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和62年10月19日

判示事項

 新株の払込みを仮装のものとして公正証書原本不実記載罪の成立が認められた事例

裁判要旨

 増資の際、株式の払込みは、当初から真実の払込みとして会社資金を確保させる意図はなく、会社と名目的な引受人との合意に基づき、引受人が会社自身又は他から一時借り入れた金員をもって単に払込みの外形を整えた後、会社において直ちに右払込金を払い戻して、借入金の返済等に充て、あるいは払込金を会社名義の定期預金とした上これに質権を設定したものであり、会社が取得した引受人に対する債権及び右定期預金債権が会社の実質的な資産とは認められない本件事案(判文参照)の下においては、右払込みは、仮装のものであって、商業登記簿の原本に増資の記載をさせた行為は、公正証書原本不実記載罪に当たる。

参照法条

 刑法157条1項

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