裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
昭和62(あ)1480
- 事件名
業務上過失致死傷
- 裁判年月日
平成2年11月29日
- 法廷名
最高裁判所第一小法廷
- 裁判種別
決定
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
刑集 第44巻8号871頁
- 原審裁判所名
大阪高等裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和62年9月28日
- 判示事項
デパートビルの火災事故においてデパートの管理課長並びにビル内のキャバレーの支配人及び代表取締役に業務上過失致死傷罪が成立するとされた事例
- 裁判要旨
閉店後工事が行われていたデパートビルの三階から火災が発生し、多量の煙が七階で営業中のキャバレーの店内に流入したため、多数の死傷者が生じた火災事故において、デパートの管理課長には、防火管理者として、三階の防火区画シャッター等を可能な範囲で閉鎖し、保安係員等を工事に立ち会わせ、出火に際して直ちにキャバレー側に火災発生を連絡させるなどの体制を採るべき注意義務を怠った過失があり、キャバレーの支配人には、防火管理者として、階下において火災が発生した場合、適切に客等を避難誘導できるように平素から避難誘導訓練を実施しておくべき注意義務を怠った過失があり、キャバレーを経営する会社の代表取締役には、管理権原者として、防火管理者が防火管理業務を適切に実施しているかどうかを具体的に監督すべき注意義務を怠った過失があり、それぞれ業務上過失致死傷罪が成立する。
- 参照法条
刑法211条
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