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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和30(あ)3376

事件名

 業務上横領、背任、贈賄、受託収賄

裁判年月日

 昭和33年5月20日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 刑集 第12巻7号1416頁

原審裁判所名

 福岡高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和30年10月10日

判示事項

 一 公訴事実の同一性の認められる一事例。―業務上横領と商法第四八九条第二号前段―
二 裁判所は訴因変更を促がし又はこれを命ずる責務があるか

裁判要旨

 一 「被告人はA株式会社代表取締役として同会社の営業を総理しているものであるが、昭和二五年七月一四日頃同会社において被告人保管にかかる同会社資金中より甲が同人所有にかかる同会社株式一万株を被告人に譲渡する代金として金五〇万円を同会社会計課長丙をして勝手に右甲に対し支払わしめて横領した」旨の業務上横領の訴因と、「被告人はA株式会社取締役社長であるところ、同会社が甲名義の株式五千株、乙名義の株式五千株計一万株を取得するに際し、法定の除外事由なく、昭和二五年七月一四日頃同会社において、会社資金中より同会社会計課長丙をして、金五〇万円を右一万株の代金として支払わしめ、もつて会社の計算において不正に右一万株の株式を取得した」旨の商法第四八九条第二号前段違反の訴因とは公訴事実と同一性を失わない
二 裁判所は自らすすんで検察官に対し、訴因変更手続を促がし又はこれを命ずべき責務はない

参照法条

 刑法253条,商法489条2号,刑訴法312条

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