裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
昭和31(あ)2696
- 事件名
建造物侵入、器物損壊、暴力行為等処罰ニ関スル法律違反
- 裁判年月日
昭和32年4月4日
- 法廷名
最高裁判所第一小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
刑集 第11巻4号1327頁
- 原審裁判所名
福岡高等裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和31年6月20日
- 判示事項
一 刑法第二六一条の器物損壊罪が成立する事例
二 刑法第一三〇条にいう「人ノ看守スル邸宅」と認められる事例
- 裁判要旨
一 労働争議中、労組組合員が、某会社の二階庇に掲げてあつた第二組合の木製看板を取り外し、これを同所から一四〇米離れた他家の板塀内に投げ棄てた場合および同会社の事務所土間に置いてある第二組合員家族より同組合員宛ての輸送小荷物に取りつけてあつた荷札を剥ぎ取り、これを持ち去つた場合には、いずれも刑法第二六一条の器物損壊罪が成立する。
二 石垣や煉瓦塀で囲まれて一般民家とは区劃せられ、責任者があつて看守し、三方に門があつて、その門にはいずれも木製観音開きの戸がついており、内側から閂で閉めるような仕組になつていて、毎晩定時に責任者がこれ等の門を閉めることになつており、内に社宅約二〇戸がある区劃内は刑法第一三〇条にいう「人ノ看守スル邸宅」にあたる。
- 参照法条
刑法261条,刑法130条,軽犯罪法1条33号,軽犯罪法1条32号,労働組合法1条
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