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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和31(あ)2863

事件名

 麻薬取締法違反

裁判年月日

 昭和36年6月7日

法廷名

 最高裁判所大法廷

裁判種別

 判決

結果

 破棄差戻

判例集等巻・号・頁

 刑集 第15巻6号915頁

原審裁判所名

 大阪高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和31年6月19日

判示事項

 一 被疑者の緊急逮捕に着手する以前その不在中になされた捜索差押は適法か
二 右捜索差押調書および捜索差押にかかる麻薬に対する鑑定書の証拠能力

裁判要旨

 一 司法警察官の職務を行う麻薬取締官が麻薬不法譲渡罪の被疑者を緊急逮捕すべくその自宅に赴いたところ、被疑者が他出中であつたが、帰宅次第逮捕する態勢をもつて同人宅の捜索を開始し、麻薬を押収し、捜索の殆んどを終る頃帰宅した同人を適法に緊急逮捕した本件の場合の如く、(判文参照)、捜索差押が緊急逮捕に先行したとはいえ、時間的にはこれに接着し、場所的にも逮捕の現場でなされたものであるときは、その捜索差押を違憲違法とすべき理由はない。
二 右麻薬取締官作成の右捜索差押調書および捜索差押にかかる右麻薬に対する鑑定書につき、被告人および弁護人が第一審公判廷において、これを証拠とすることに同意し、意義なく適法な証拠調を経たときは、右各書面は、捜索差押手続の違法であつたかどうかにかかわらず証拠能力を有する。

参照法条

 憲法33条,憲法35条,刑訴法210条,刑訴法220条,刑訴法309条,刑訴法326条

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