裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
昭和35(あ)1772
- 事件名
関税法違反
- 裁判年月日
昭和38年12月4日
- 法廷名
最高裁判所大法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
破棄差戻
- 判例集等巻・号・頁
刑集 第17巻12号2415頁
- 原審裁判所名
東京高等裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和35年6月29日
- 判示事項
一 刑事事件における第三者所有物の没収手続に関する応急措置法施行前第三者所有物を没収した第一審判決を破棄する場合と同法施行後において上訴審のとるべき措置
二 関税法第一一八条の犯罪貨物が数人の犯人の間に転々譲渡された場合、最終知情取得者または犯人の一人が右貨物またはその価格を通告処分の履行として税関に納付した場合における他の犯人に対する追徴の適否
三 刑事事件における第三者所有物の没収手続に関する応急措置法の適用と憲法第三九条
- 裁判要旨
一 上訴審が、刑事事件における第三者所有物の没収手続に関する応急措置法施行前、第三者に告知聴問の機会を与えることなくその所有物を没収した第一審判決を破棄する場合、同法施行後においては、当該事件を第一審に差し戻して、同法所定の手続を履践させるのが相当である。
二 関税法第一一八情の犯罪貨物が数人の犯人の間に転々譲渡された場合、最終知情取得者が通告処分の履行として右貨物を税関に納付し、あるいは犯人の一人が通告処分の履行として追徴金相当額を税関に納付した後は、他の犯人に対し同条による追徴の言渡をすることは許されない。
三 昭和三八年法律第一三八号刑事事件における第三者所有物の没収手続に関する応急措置法は、同法施行前の犯行について、現に第一審に係属しまたは将来第一審に係属する被告事件に同法を適用しても、刑罰法規不遡及または事後立法禁止を定めた憲法第三九条の法意に反するものといえない。
- 参照法条
関税法118条1項,関税法118条,関税法138条,刑事事件における第三者所有物の没収手続に関する応急措置法1条,刑事事件における第三者所有物の没収手続に関する応急措置法(昭和38年法律138号),刑訴法400条本文,刑訴法413条本文,憲法39条
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