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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和35(あ)2860

事件名

 公務執行妨害

裁判年月日

 昭和37年1月23日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 刑集 第16巻1号11頁

原審裁判所名

 仙台高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和35年11月24日

判示事項

 一 県教職員組合役員の組合員に対する所為が正当行為といえない事例
二 刑法第九五条にいわゆる暴行の意義

裁判要旨

 一 K小学校教諭でF県教職員組合の役員が、同組合の勤務成績評定の実施等に反対する斗争に関連し、同校教諭で右組合員である甲の組合活動に非協力的な態度に憤慨して、甲を難詰し、両者が押問答をしているうち、甲が教室に入り、児童に対し自習および清掃をするように指示していたところ、そのあとを追つて同教室に入り、甲に対し「まだ話は終つていない。」といつて迫り、「生徒が見ていますから、やめて下さい。」といつて制止する甲の右手首を右手でつかみ、無理に教室外に連れ出そうとして引つ張つたので、甲が椅子とともに倒れたのを、なおもその手首をつかんだまま廊下に連れ出し、さらにその手を引つ張つて同校資料室に連れ込むなどの暴行を加えた所為は、たとえ右組合の団結統制力の行使としてなされたものであつても、これを正当な行為であるとはいえない。
二 刑法第九五条にいわゆる暴行とは、公務員に対し、直接であると間接であるとを間わず不法な攻撃を加えることをいう。

参照法条

 刑法35条,刑法95条,憲法28条,労働組合法1条2項

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