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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和36(あ)2865

事件名

 逮捕、監禁

裁判年月日

 昭和39年12月3日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 決定

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 刑集 第18巻10号698頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和35年12月27日

判示事項

 一 違憲の主張が適法な上告理由とならないとされた事例。
二 集会、思想、表現等の自由に対する侵害の回復及び予防を目的とした逮捕、監禁行為につき違法性が阻却されないとされた事例。(いわゆる舞鶴事件)

裁判要旨

 一 原判示自体において原判決の結論に影響のないことが明らかな憲法解釈を非難する違憲の主張は、適法な上告理由とならない。
二 第三次中国引揚の帰国者約七百名の参加する帰国者大会において、同大会が非公開とされた後も秘かに会場内に残留して傍聴した舞鶴引揚援護局非常勤女子職員(当二六年)を、同女による右帰国者等の集会、思想、表現等の自由に対する侵害を回復し、かつ将来における同種の法益の侵害を防しようとして逮捕し、ひきつづき午後九時過頃から翌日午前二時頃まで監禁した行為(原判文参照)は、社会通念上許容される限度を超えるものであつて、刑法第三五条の正当行為として違法性が阻却される場合に当たらない。

参照法条

 刑法35条,刑法220条1項,刑訴法405条

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