裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
昭和40(あ)1134
- 事件名
税理士法違反
- 裁判年月日
昭和41年3月31日
- 法廷名
最高裁判所第一小法廷
- 裁判種別
決定
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
刑集 第20巻3号146頁
- 原審裁判所名
東京高等裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和40年4月12日
- 判示事項
一 税理士法第二条第二号にいう税務書類の「作成」にあたるとされた事例
二 同条にいう「他人の求に応じ」にあたるとされた事例
- 裁判要旨
一 某市及びその周辺地域の零細商工業者(会社又は個人)多数が会員となつて組織した本件の如き任意団体(いわゆる権利能力なき社団)の事務局長である被告人が、税理士の資格がなく、かつ税理士法に別段の定めがある場合でないのに、会員の各経理関係の簿冊を一括して会の事務所に備え、各会員から毎月毎に徴した営業に関する収支の伝票等に基づいて、貸借対照表、財産目録、損益計算書等を作成し、併せて右書類等に基づき各会員の事業年度毎の法人税、所得税等の申告書用紙に、所要事項を記載した上、申告者各自にその内容を説明し、その諒解の下に申告者の署名押印を得て、これを所轄税務署に提出することを主たる業務としていたという事実関係(原判文参照)の下においては、たとえ申告者が、申告書の必要事項の記載完了後これを承認して署名押印したとしても、右申告書は、被告人が税理士法第二条第二号にいう「作成」をしたものというべきである。
二 右の如き事実関係の下においては、被告人の各会員のためにする税務書類の作成は、会員との個々的な作成依頼の申込と承諾という関係に基づくものではないとしても、同法第二条にいう「他人の求に応じ」てなされたものというべきである。
- 参照法条
税理士法2条,税理士法52条,税理士法59条
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