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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和40(あ)1752

事件名

 業務上過失傷害

裁判年月日

 昭和41年12月20日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 判決

結果

 破棄差戻

判例集等巻・号・頁

 刑集 第20巻10号1212頁

原審裁判所名

 福岡高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和40年7月12日

判示事項

 自動車運転者に交通法規を無視して自車の前面を突破しようとする車両のありうることまで予想すべき注意義務がないとされた事例

裁判要旨

 交通整理の行なわれていない交差点において、右折の途中に車道中央付近で一時エンジンの停止を起こした自動車が、再び始動して時速約五粁の低速で発車進行しようとする際、自動車運転者としては、特別な事情のないかぎり、右側方からくる他の車両が交通法規を守り自車との衝突を回避するため適切な行動に出ることを信頼して運転すれば足り、あえて交通法規に違反し、自車の前面を突破しようとする車両(判文参照)のありうることまでも予想して右側方に対する安全を確認し、もつて事故の発生を未然に防止すべき業務上の注意義務はないものと解するのが相当である。

参照法条

 刑法211条,道路交通法17条,道路交通法35条,道路交通法37条

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