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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和40(あ)2611

事件名

 窃盗

裁判年月日

 昭和42年7月5日

法廷名

 最高裁判所大法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 刑集 第21巻6号748頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和40年10月19日

判示事項

 一 起訴されていない犯罪事実を量刑の資料として考慮したことが憲法第三一条第三八条第三項に違反するとされた事例
二 原判決の憲法違反が判決に影響を及ぼさないとして上告が棄却された事例

裁判要旨

 一 起訴されていない犯罪事実で、被告人の捜査官に対する自白のほかに証拠のないものを、いわゆる余罪として認定し、これをも実質上処罰する趣旨のもとに重い刑を科することは、憲法第三一条、第三八条第三項覆に違反する。
二 右のような憲法違反を犯している第一審判決を違法ではないとして認容した違憲が原判決にあつても、原判決が、結論において、第一審判決の量刑を不当としてこれを破棄し、自判する際に、余罪を犯罪事実として認定しこれを処罰する趣旨を含めて量刑したものとは認められないときは、右違憲は判決に影響を及ぼさない。

参照法条

 憲法31条,憲法38条3項,刑訴法319条2項,刑訴法410条1項但書

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