裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
昭和42(あ)1235
- 事件名
詐欺
- 裁判年月日
昭和45年3月26日
- 法廷名
最高裁判所第一小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
その他
- 判例集等巻・号・頁
刑集 第24巻3号55頁
- 原審裁判所名
大阪高等裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和42年4月19日
- 判示事項
一 詐欺罪の成立と財産的処分行為の要否
二 被欺罔者と財産上の被害者が同一人でない場合の詐欺罪の成立要件
三 いわゆる訴訟詐欺の事案につき詐欺罪が成立しないとされた事例
- 裁判要旨
一 詐欺罪が成立するためには、被欺罔者が錯誤によつてなんらかの財産的処分行為をすることを要する。
二 被欺罔者と財産上の被害者とが同一人でない場合に詐欺罪が成立するためには、被欺罔者において被害者のためその財産を処分しうる権能または地位のあることを要する。
三 被告人が、抵当権実行により債権者甲の所有、占有に帰した家屋の奪回を企て、依然として自己が所有、占有しているかのように装い、簡易裁判所に対し、すでに失効した他の債権者乙との間の和解調書正本につき執行文付与の申請をし、同裁判所書記官補をその旨誤信させて執行文の付与を受け、更に執行吏に対し右執行文を提出して同様誤信させ、同執行吏をして、右家屋の占有を被告人から乙に移転する強制執行をさせても(判文参照)、右家屋に対する詐欺罪は成立しない。
- 参照法条
刑法246条
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