裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
昭和44(し)68
- 事件名
取材フイルム提出命令に対する抗告棄却決定に対する特別抗告
- 裁判年月日
昭和44年11月26日
- 法廷名
最高裁判所大法廷
- 裁判種別
決定
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
刑集 第23巻11号1490頁
- 原審裁判所名
福岡高等裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和44年9月20日
- 判示事項
一 報道および取材の自由と憲法二一条
二 報道機関の取材フイルムに対する提出命令の許容される限度
- 裁判要旨
一 報道の自由は、表現の自由を規定した憲法二一条の保障のもとにあり、報道のための取材の自由も、同条の精神に照らし、十分尊重に値いするものといわなければならない。
二 報道機関の取材フイルムに対する提出命令が許容されるか否かは、審判の対象とされている犯罪の性質、態様、軽重および取材したものの証拠としての価値、公正な刑事裁判を実現するにあたつての必要性の有無を考慮するとともに、これによつて報道機関の取材の自由が妨げられる程度、これが報道の自由に及ぼす影響の度合その他諸般の事情を比較衡量して決せられるべきであり、これを刑事裁判の証拠として使用することがやむを得ないと認められる場合でも、それによつて受ける報道機関の不利益が必要な限度をこえないように配慮されなければならない。
- 参照法条
憲法21条,刑訴法99条,刑訴法262条,刑訴法265条
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