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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和47(あ)1333

事件名

 道路交通法違反

裁判年月日

 昭和48年2月16日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 刑集 第27巻1号58頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和47年6月14日

判示事項

 前科調書の記載洩れと刑訴法三八二条の二第一項という「やむを得ない事由」

裁判要旨

 被告人が、区検察庁検察事務官の取調に対し、無免許運転で懲役刑に処せられ刑の執行猶予の言渡を受けたことを秘匿し、前科は無免許や酒酔い運転で二回罰金刑に処せられただけである旨供述し、他方、区検察庁検察事務官が地方検察庁犯歴係に電話照会して作成した前科調書には道交法違反による罰金の前科二犯のみが記載され、これが一審公判廷で取り調べられてその判決の言渡があつた後、たまたま、被告人の前科を記憶していた係官により右執行猶予付懲役刑の前科の存在が判明し、検察官がこれを知るにいたつた場合においては、刑訴法三八二条の二第一項にいう「やむを得ない事由」により一審の弁論終結前に、刑の執行猶予言渡に影響を及ぼすべき前科に関する証拠の取調を請求することができなかつたものと解するのが相当である。

参照法条

 刑訴法382条2第1項

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