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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和49(し)118

事件名

 再審請求事件についてした抗告棄却決定に対する特別抗告

裁判年月日

 昭和51年10月12日

法廷名

 最高裁判所第一小法廷

裁判種別

 決定

結果

 その他

判例集等巻・号・頁

 刑集 第30巻9号1673頁

原審裁判所名

 高松高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和49年12月5日

判示事項

 一 刑訴法四三五条六号にいう「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」か否かの判断基準
二 刑訴法四三五条六号にいう「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」の存否の判断に関し原審及び原原審に審理不尽の違法があるとされた事例

裁判要旨

 一 刑訴法四三五条六号にいう「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」であるかどうかの判断にあたつては、確定判決が認定した犯罪事実の不存在が確実であるとの心証を得ることを必要とするものではなく、確定判決における事実認定の正当性についての疑いが合理的な理由に基づくものであるかどうかを判断すれば足りる。
二 強盗殺人事件の再審請求に対する審判において、申立人の自白の内容に強盗殺人の事実を認定するにつき妨げとなるような重大な疑点があり、新証拠を既存の全証拠と総合的に評価するときは、確定判決の事実認定を動揺させる蓋然性もありえたと思われるなどの事情(判文参照)のもとでは、再審請求を棄却した原原審及びこれを是認した原審には審理不尽の違法がある。

参照法条

 刑訴法435条6号

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