裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
昭和53(あ)1717
- 事件名
道路交通法違反
- 裁判年月日
昭和55年9月22日
- 法廷名
最高裁判所第三小法廷
- 裁判種別
決定
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
刑集 第34巻5号272頁
- 原審裁判所名
福岡高等裁判所 宮崎支部
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和53年9月12日
- 判示事項
一 交通の安全及び交通秩序の維持などに必要な警察の諸活動と警察法二条及び警察官職務執行法一条との関係
二 警察官による交通違反の予防、検挙を目的とする自動車の一せい検問の適法性
- 裁判要旨
一 警察法二条一項が「交通の取締」を警察の責務として定めていることに照らすと、交通の安全及び交通秩序の維持などに必要な警察の諸活動は、任意手段による限り、一般的に許容されるべきものであるが、それが国民の権利、自由の干渉にわたるおそれのある事項にかかわる場合には、任意手段によるからといつて無制限に許されるべきものでないことも同条二項及び警察官職務執行法一条などの趣旨にかんがみ明らかである。
二 警察官が、交通取締の一環として、交通違反の多発する地域等の適当な場所において、交通違反の予防、検挙のため、同所を通過する自動車に対して走行の外観上の不審な点の有無にかかわりなく短時分の停止を求めて、運転者などに対し必要な事項についての質問などをすることは、それが相手方の任意の協力を求める形で行われ、自動車の利用者の自由を不当に制約することにならない方法、態様で行われる限り、適法である。
- 参照法条
警察法2条,警察官職務執行法1条
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