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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和29(あ)2084

事件名

 傷害、公務執行妨害

裁判年月日

 昭和31年7月17日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 刑集 第10巻7号1127頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和29年4月20日

判示事項

 一 退廷命令に基づき法定の在る建物の外まで退去させることができるか
二 法廷秩序維持権の及ぶ場所的範囲
三 法廷秩序維持権の及ぶ時間的限界
四 警備員に対して退廷命令を出したら傍聴人の法廷のある建物の外に出すようにと事前に指示したことの可否

裁判要旨

 一 法廷における秩序維持のため必要がある場合においては、退去命令に基づきその執行として、裁判官の指揮により右法廷のある建物の外まで退去させることができるものと解すべきである。
二 裁判所法第七一条の法廷秩序維持権は、法廷における秩序維持に必要なかぎり、法廷の内外を問わず裁判官が妨害行為を直接目撃または聞知し得る場所まで及ぶものと解すべきである。
三 裁判所法第七一条の法廷秩序維持権を行使し得る時間的限界(始期と終期)は、法廷の開廷中およびこれに接着する前後の時間を含むものと解すべきである。
四 万一発生すべき本件の如き自体に対処するため、事前に所論のような指示を警備員に与えたとしても、これを違法と目すべき理由はない。

参照法条

 裁判所法71条,法廷の秩序維持に関する法律2条,法廷等の秩序維持に関する法律2条

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