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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和29(あ)3497

事件名

 昭和二二年勅令第九号違反

裁判年月日

 昭和32年9月27日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 刑集 第11巻9号2384頁

原審裁判所名

 大阪高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和29年10月4日

判示事項

 一 昭和二二年勅令第九号第二条にいう「売淫」の意義。

二 いわゆる妾の斡旋と右勅令第二条違反の成否。

三 昭和二二年勅令第九号第二条にいう「売淫」における不特定の意味。

裁判要旨

 一 昭和二二年勅令第九号第二条にいう「売淫」は、対価を受け、または受ける約束で、不特定の相手方と性交することをいうものと解すべきである。

二 法律上の妻または事実上の妻でなくして、主として妻帯の男性から経済上の援助を受けて、これと性的結合関係を継続する女、いわゆる妾の斡旋はそれが特定の男女間に関する限り右勅令第二条の対象とならない。

三 昭和二二年勅令第九号第二条の「不特定」ということは、もとより性交するときにおいて不特定であるという意味ではなく、不特定の男子のうちから任意に相手方を選定し性交の対価に主眼をおいて、相手方の特定性を重視しないということを意味するのであつて、たとえ、その相手方との関係が相当の期間に及んでいても、その相手方との関係が終了すれば更に不特定の男子のうちの任意の一人と同様の関係を結ぶであろうことが予想される場合においては、なお、相手方は右にいう意味において不特定であると解するを相当とする。

参照法条

 昭和22年勅令9号(婦女に売淫させた者等の処罰に関する件)2条,売春防止法2条,婦女に売淫をさせた者等の処罰に関する勅令(昭和22年勅令9号)2条

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