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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和30(あ)457

事件名

 公務執行妨害、傷害

裁判年月日

 昭和32年5月28日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 刑集 第11巻5号1548頁

原審裁判所名

 広島高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和29年10月30日

判示事項

 一 緊急逮捕をするにあたつて被疑者の特定がされていたと認められる事例
二 右の場合急速を要し裁判官の逮捕状を求めることができないと認められる事例
三 緊急逮捕をするにあたつて逮捕の理由を告げたと認められる事例

裁判要旨

 一 集団暴行犯人の住所氏名を知ることができず、各人ごとに人相、体格等の特徴を具体的に表示できなくても、犯人を確認、追尾した司法警察職員が、群集中に混在する犯人を容貌等により識別できる以上、緊急逮捕をするに必要な被疑者の特定があるということができる。
二 右集団暴行犯人が多数の者と共に団体結成の大会を開き、逮捕に備えて石、コンクリート破片等を用意し、体勢を整えている場合に、警察当局がその動向を探知し、応援警察官を手配するため即日逮捕する旨の決定をするまでに二時間余を要したとしても、常に必ずしも裁判官の逮捕状を求める余裕があつたとはいえない。
三 集団暴行犯人の緊急逮捕にあたり、司法警察職員が拡声機により集団暴行犯人を逮捕する旨および犯人でない者は一〇分以内に退去するよう警告したときは逮捕の理由を告げたものと認めるべきである。

参照法条

 刑訴法210条

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