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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和33(あ)2698

事件名

 名誉毀損

裁判年月日

 昭和34年5月7日

法廷名

 最高裁判所第一小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 刑集 第13巻5号641頁

原審裁判所名

 仙台高等裁判所  秋田支部

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和33年10月29日

判示事項

 一 名誉毀損罪の成立する事例
二 刑法第二三〇条ノ二にいう「真実ナルコトノ証明アリタルトキ」に当らない事例

裁判要旨

 一 Xが、確証もないのに、YにおいてX方庭先の燻炭囲の菰に放火したものと思い込み、X方でYの弟Aおよび火事見舞に来た村会議員Bに対し、またY方でその妻C、長女Dおよび近所のE、F、G等に対し、問われるままに、「Yの放火を見た」、「火が燃えていたのでYを捕えることはできなかつた」旨述べたときは(その結果、本件ではYが放火したという噂が村中に相当広まつている。)不定多数の人の視聴に達せしめ得る状態において事実を摘示しYの名誉を毀損したものとして名誉毀損罪が成立する。
二 右の場合、XがY(未起訴)において放火したものと誤信していたとしても、記録およびすべての証拠上、Yが右放火の犯人であることが確認できないときは、刑法第二三〇条ノ二にいう「真実ナルコトノ証明」がなされなかつたものとして、Xは名誉毀損の罪責を免れることができない。

参照法条

 刑法230条,刑法230条ノ2

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