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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和50(あ)146

事件名

 道路交通法違反、公務執行妨害

裁判年月日

 昭和51年3月16日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 決定

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 刑集 第30巻2号187頁

原審裁判所名

 名古屋高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和49年12月19日

判示事項

 一 任意捜査において許容される有形力の行使の限度
二 任意捜査において許容される限度内の有形力の行使と認められた事例

裁判要旨

 一 任意捜査における有形力の行使は、強制手段、すなわち個人の意思を制圧し、身体、住居、財産等に制約を加えて強制的に捜査目的を実現する行為など特別の根拠規定がなければ許容することが相当でない手段にわたらない限り、必要性、緊急性などをも考慮したうえ、具体的状況のもとで相当と認められる限度において、許容される。
二 警察官が、酒酔い運転の罪の疑いが濃厚な被疑者をその同意を得て警察署に任意同行し、同人の父を呼び呼気検査に応じるよう説得を続けるうちに、母が警察署に来ればこれに応じる旨を述べたので、連絡を被疑者の父に依頼して母の来署を待つていたところ、被疑者が急に退室しようとしたため、その左斜め前に立ち、両手でその左手首を掴んだ行為(判文参照)は、任意捜査において許容される限度内の有形力の行使である。

参照法条

 刑法95条1項,刑訴法197条1項

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