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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和43(オ)1332

事件名

 損害賠償等請求

裁判年月日

 昭和44年11月21日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 判決

結果

 破棄差戻

判例集等巻・号・頁

 民集 第23巻11号2097頁

原審裁判所名

 大阪高等裁判所

原審事件番号

 昭和41(ネ)124

原審裁判年月日

 昭和43年9月25日

判示事項

 被用者の取引行為を職務権限内の行為と信じた相手方に重大な過失がないとされた事例

裁判要旨

 甲が、金融業者乙の被用者であるが代理権を有しない丙との間に、乙の不動産を買い受ける契約を締結し、代金を丙に支払うに際し、売買契約書等の表示、乙に対する登記抹消の訴に関する予告登記の存在、交渉中における代金減額の経過など、原判示のような丙の権限を疑うべき事情(原判決理由参照)があるのにかかわらず、丙を乙の支配人と紹介した仲介人の言葉のみを信用し、丙の代理資格および売買の意思の有無につき乙に問い合わせるなどの調査をすることなく、丙にその権限があるものと信じて、右契約を締結し多額の代金を丙に支払つた場合であつても、甲がこのように信じたことにいまだ重大な過失があるとはいえず、甲は、乙に対し、民法七一五条に基づき損害賠償を請求することを妨げられない。

参照法条

 民法715条

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