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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和43(オ)431

事件名

 損害賠償請求

裁判年月日

 昭和48年2月16日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 民集 第27巻1号99頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

 昭和41(ネ)1845

原審裁判年月日

 昭和43年2月15日

判示事項

 道路の交差点における信号機の設置に瑕疵があつたとされた事例

裁判要旨

 南北に通ずる道路と東西に通ずる二本の近接した道路とがほぼ直角に交わる交差点のほぼ中央に電車の軌道が敷設されているなど、判示のような複雑な構造を有する交差点において、東西に通ずる道路上の車両の進行を規制するとともに、交差点の北側の横断歩道上を西から東に向かう歩行者の歩行をもかねて規制するものとして東側に信号機が設置された場合に、横断歩道の西端から信号機の設置位置までの距離が約三〇メートルあり、同西端における信号機の見通し角度が正面から右約四七ないし五五度であつたなど判示のような事情があるため、一般の歩行者にとつて右信号機が横断歩道の歩行をもかねて規制するものであることを容易に認識できないときは、右信号機は、横断歩道の歩行者の歩行をも規制するものとしては、不適当な位置に設置されていたものというべく、その設置に瑕疵があつたものと解すべきである。

参照法条

 国家賠償法2条,民法717条

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