裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
昭和44(行ツ)26
- 事件名
時間外勤務手当等請求
- 裁判年月日
昭和47年4月6日
- 法廷名
最高裁判所第一小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
民集 第26巻3号397頁
- 原審裁判所名
東京高等裁判所
- 原審事件番号
昭和41(行コ)7
- 原審裁判年月日
昭和44年2月13日
- 判示事項
一、県立学校教職員の勤務時間外における職員会議への参加が所属学校長の職務命令に基づくものとされた事例
二、静岡県立学校長の適法な権限に基づかない命令により時間外勤務をした教職員の時間外勤務手当請求権
- 裁判要旨
一、県立学校における職員会議が、校長を主宰者とし、当該学校に勤務する教職員の全部をもつて構成され、その開催の日時場所も校長の指示によりあらかじめ伝達されて教職員はできるかぎりこれに出席すべきものとされており、とくに必要があつて会議が勤務時間外にわたる場合においても、勤務時間の内外によつて審議内容、審議方法等会議の性質および運営にはなんらの差異はなかつたなど判示の事情があるときは、右教職員の職員会議への参加は、正規の勤務時間以外の時間にわたる場合も含めて、所属学校長の職務命令に基づくものというべきである。
二、静岡県立学校において、校長の時間外勤務命令に基づき、教職員が正規の勤務時間以外の時間にわたつて本来の職務の範囲に属することがらについて勤務をした場合には、たとえ校長に右命令を発する権限がなかつたとしても、それが教職員に対し事実上の拘束力をもつものであるかぎり、給与負担者である静岡県は、右職務命令の瑕疵を主張して時間外勤務に対する所定の時間外勤務手当の支給を拒むことは許されないものと解すべきである。
- 参照法条
労働基準法37条,静岡県教職員の給与に関する条例(昭和31年静岡県条例第52号)15条,職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例(昭和28年静岡県条例第32号)8条
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