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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和46(オ)160

事件名

 共有物分割請求

裁判年月日

 昭和46年6月18日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 民集 第25巻4号550頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

 昭和43(ネ)1588

原審裁判年月日

 昭和45年11月26日

判示事項

 一、民法二五八条一項にいう「共有者ノ協議調ハサルトキ」の意義

二、共有物分割訴訟と持分譲受の登記

三、民法二五八条二項にいう「現物ヲ以テ分割ヲ為スコト能ハサルトキ」の意義

裁判要旨

 一、民法二五八条一項にいう「共有者ノ協議調ハサルトキ」とは、共有者の一部に共有物分割の協議に応ずる意思がないため共有者全員において協議をすることができない場合を含むものであつて、現実に協議をしたうえで不調に終わつた場合に限られるものではない。

二、不動産の共有物分割訴訟においては、共有者間に持分の譲渡があつても、その登記が存しないため、譲受人が持分の取得をもつて他の共有者に対抗することができないときは、共有者全員に対する関係において、右持分がなお譲渡人に帰属するものとして共有物分割を命ずべきである。

三、民法二五八条二項にいう「現物ヲ以テ分割ヲ為スコト能ハサルトキ」とは、現物分割が物理的に不可能な場合のみを指称するのではなく、社会通念土適正な現物分割が著るしく困難な場合をも包含するものと解すべきである。

参照法条

 民法258条1項,民法258条2項,民法177条

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