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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和46(オ)357

事件名

 敷金返還請求

裁判年月日

 昭和48年2月2日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 民集 第27巻1号80頁

原審裁判所名

 広島高等裁判所  松江支部

原審事件番号

 昭和41(ネ)80

原審裁判年月日

 昭和46年2月5日

判示事項

 一、敷金の被担保債権の範囲および敷金返還請求権の発生時期
二、家屋の賃貸借終了後におけるその所有権の移転と敷金の承継の成否
三、賃貸借終了後家屋明渡前における敷金返還請求権と転付命令

裁判要旨

 一、家屋賃貸借における敷金は、賃貸借終了後家屋明渡義務履行までに生ずる賃料相当額の損害金債権その他賃貸借契約により賃貸人が賃借人に対して取得する一切の債権を担保するものであり、敷金返還請求権は、賃貸借終了後家屋明渡完了の時においてそれまでに生じた右被担保債権を控除しなお残額がある場合に、その残額につき具体的に発生するものと解すべきである。
二、家屋の賃貸借終了後明渡前にその所有権が他に移転された場合には、敷金に関する権利義務の関係は、旧所有者と新所有者との合意のみによつては、新所有者に承継されない。
三、家屋の賃貸借終了後であつても、その明渡前においては、敷金返還請求権を転付命令の対象とすることはできない。

参照法条

 民法619条,民訴法601条

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