裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
昭和47(オ)209
- 事件名
養子縁組無効確認請求
- 裁判年月日
昭和48年4月12日
- 法廷名
最高裁判所第一小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
民集 第27巻3号500頁
- 原審裁判所名
大阪高等裁判所
- 原審事件番号
昭和45(ネ)440
- 原審裁判年月日
昭和46年11月18日
- 判示事項
一、養子縁組の当事者である夫婦の一方に縁組の意思がない場合における縁組の効カ
ニ、養子縁組の当事者である夫婦の一方に縁組の意思がない場合に他方の配偶者について縁組が有効とされた事例
- 裁判要旨
一、夫婦が共同して養子縁組をするものとして届出がされたところ、その一方に縁組をする意思がなかつた場合には、原則として、縁組の意思のある他方の配偶者についても縁組は無効であるが、その他方と縁組の相手方との間に単独でも親子関係を成立させることが民法七九五条本文の趣旨にもとるものではないと認められる特段の事情がある場合には、縁組の意思を欠く当事者の縁組のみを無効とし、縁組の意思を有する他方の配偶者と相手方との間の縁組は有効に成立したものと認めることを妨げない。
二、甲男乙女夫婦を養親、幼児である丙を養子として届出のされた養子縁組につき、乙に縁組をする意思がなかつた場合であつても、右届出の当時、甲と乙とが別居しその婚姻共同生活の実体は少なくとも一〇年間は失われていて事実上の離婚状態が形成されていたものであり、甲および丙の親権者らは、乙とはかかわりなく甲丙間に縁組をする意思を有し、縁組後は、丙は、甲およびその事実上の妻丁に養育されて親子として生活をともにしており、甲丙間に親子関係が成立することは乙の意思にも反するものではなかつたなど判示の事実関係のもとにおいては、甲丙間においてのみ縁組を有効とすることを妨げない特段の事情が存在するものと認めるのが相当である。
- 参照法条
民法795条,民法802条1号
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