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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和47(オ)342

事件名

 報酬金請求

裁判年月日

 昭和48年11月30日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 民集 第27巻10号1448頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

 昭和45(ネ)841

原審裁判年月日

 昭和46年12月22日

判示事項

 民事訴訟事件の依頼者と弁護士との間のいわゆるみなし成功報酬の特約がその効力を生じないとされた事例

裁判要旨

 控訴審における民事訴訟事件につき、依頼者と弁護士との間で、依頼者が受任者に無断で和解、取下等をしたときには、委任事務処理の程度いかんにかかわらず成功とみなして成功報酬の全額を支払う旨のいわゆるみなし成功報酬の特約がされ、依頼者において受任者に無断で右事件の相手方と裁判外の和解をして控訴を取り下げた場合であつても、受任者が、第一審においても右事件の処理を受任して訴訟を追行したが仮執行宣言付の敗訴判決を受け、みずからの手落もあつてその執行により依頼者を窮状におちいらせたこと、控訴審の結果に不安をいだいた依頼者から再三和解により事件の解決をはかるよう求められ、和解成立の機会もあつたのに、その依頼をかたくなに斥けてきたこと等判示のような事情があるときは、依頼者の右和解および控訴の取下は、受任者の責に帰すべき事由によるものとして、右みなし成功報酬の特約はその効力を生じない。

参照法条

 民法643条,民法648条,弁護士法312条2項8号

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