裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
昭和49(オ)797
- 事件名
損害賠償請求
- 裁判年月日
昭和50年7月14日
- 法廷名
最高裁判所第二小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
民集 第29巻6号1012頁
- 原審裁判所名
東京高等裁判所
- 原審事件番号
昭和48(ネ)1572
- 原審裁判年月日
昭和49年5月29日
- 判示事項
一、地方公共団体の長のした職務権限外の行為についての相手方の悪意・重過失と民法四四条一項
二、町長のした職務権限外の行為につき相手方がその職務行為に属さないことを知らなかつたことに重大な過失があるとされた事例
- 裁判要旨
一、地方公共団体の長のした職務権限外の行為が外形からみてその職務行為に属するものと認められる場合であつても、相手方がその職務行為に属さないことを知り、又はこれを知らないことに重大な過失のあるときは、当該地方公共団体は相手方に対し民法四四条一項による損害賠償責任を負わない。
二、町長が代表取締役をしている会社の代表者として振り出し、みずから公印を不正に使用し町長名義で裏書をした約束手形の第二裏書人からその割引を依頼された相手方が、右手形の振出人及び第一裏書人の各代表者が同一人であることに疑念をいだき、その原因関係につき第二裏書人に説明を求め、同人から、右手形は、振出人が町有地の払下代金として同時に差し入れ、自己が施行した河舞工事代金として同町から裏書を受けたものである旨を告げられたが、なおその説明に疑念をもちながら、電話で町長本人に右手形の原因関係を問い合わせ、町長作成名義の確認書を入手したほかは、なんらの調査方法を講ずることなくその割引依頼に応じたなど判示の事実関係のもとにおいては、相手方は、町長のした右手形の裏書がその職務行為に属さないことを知らなかつたことに重大な過失があるというべきである。
- 参照法条
民法44条1項
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