裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
平成10(オ)604
- 事件名
特許権侵害予防請求事件
- 裁判年月日
平成11年7月16日
- 法廷名
最高裁判所第二小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
破棄自判
- 判例集等巻・号・頁
民集 第53巻6号957頁
- 原審裁判所名
大阪高等裁判所
- 原審事件番号
平成7(ネ)1743
- 原審裁判年月日
平成9年11月18日
- 判示事項
一 方法の発明に係る特許権に基づき当該方法を使用して品質規格を検定した物の製造販売の差止めを請求することの可否
二 特許法一〇〇条二項にいう「侵害の予防に必要な行為」の意義
三 医薬品の品質規格の確認試験においてする方法の使用が特許権を侵害する場合において右医薬品の廃棄及びこれについての薬価基準収載申請の取下げが特許法一〇〇条二項にいう「侵害の予防に必要な行為」に当たらないとされた事例
- 裁判要旨
一 方法の発明に係る特許権に基づき、当該方法を使用して品質規格を検定した物の製造販売の差止めを請求することはできない。
二 特許法一〇〇条二項にいう「侵害の予防に必要な行為」は、特許発明の内容、現に行われ又は将来行われるおそれがある侵害行為の態様、特許権者が行使する差止請求権の具体的内容等に照らし、差止請求権の行使を実効あらしめるものであって、かつ、差止請求権の実現のために必要な範囲内のものであることを要する。
三 方法の発明に係る特許権を侵害する行為が医薬品の品質規格の検定のための確認試験において当該方法を使用する行為であって、侵害差止請求としては当該方法の使用の差止めを請求することができるにとどまるという事情の下においては、右医薬品の廃棄及びこれについての薬価基準収載申請の取下げは、差止請求権の実現のために必要な範囲を超えるものであって、特許法一〇〇条二項にいう「侵害の予防に必要な行為」に当たらない。
- 参照法条
特許法2条3項,特許法68条,特許法100条1項,特許法100条2項,健康保険法43条の9第2項,平成10年厚生省告示第30号(使用薬剤の購入価格(薬価基準))
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