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最高裁判所判例集

事件番号

 平成10(行ヒ)85

事件名

 審決取消請求事件

裁判年月日

 平成12年7月11日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 判決

結果

 破棄自判

判例集等巻・号・頁

 民集 第54巻6号1848頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

 平成9(行ケ)164

原審裁判年月日

 平成10年5月28日

判示事項

 一 商標法四条一項一五号といわゆる広義の混同を生ずるおそれがある商標
二 商標法四条一項一五号にいう「混同を生ずるおそれ」の有無を判断する基準
三 化粧用具等を指定商品とする商標「レールデュタン」が商標法四条一項一五号に規定する商標に当たるとされた事例

裁判要旨

 一 商標法四条一項一五号にいう「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」は、当該商標をその指定商品等に使用したときに、当該商品等が他人との間にいわゆる親子会社や系列会社等の緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品等であると誤信されるおそれ、すなわち、いわゆる広義の混同を生ずるおそれがある商標をも包含する。
二 商標法四条一項一五号にいう「混同を生ずるおそれ」の有無は、当該商標と他人の表示との類似性の程度、他人の表示の周知著名性及び独創性の程度や、当該商標の指定商品等と他人の業務に係る商品等との間の関連性の程度、取引者及び需用者の共通性その他取引の実状などに照らし、右指定商品等の取引者及び需用者において普通に払われる注意力を基準として、総合的に判断すべきである。
三 化粧用具、身飾品、頭飾品、かばん類、袋物等を指定商品とし、「レールデュタン」の片仮名文字を横書きした登録商標は、他の業者の香水の一つを表示するものとして使用されている引用商標等と称呼において同一であり、引用商標等が香水を取り扱う業者や高級な香水に関心を持つ需用者に著名であり独創的な商標であって、右指定商品と香水とが主として女性の装飾という用途において極めて密接な関連性を有しており、両商品の需要者の相当部分が共通するなど判示の事情の下においては、商標法四条一項一五号に規定する商標に該当する。

参照法条

 商標法4条1項15号

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