裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
平成11(行ツ)38
- 事件名
保護変更決定処分取消,損害賠償請求事件
- 裁判年月日
平成16年3月16日
- 法廷名
最高裁判所第三小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
民集 第58巻3号647頁
- 原審裁判所名
福岡高等裁判所
- 原審事件番号
平成7(行コ)5
- 原審裁判年月日
平成10年10月9日
- 判示事項
1 生活保護法による保護を受けている者がした貯蓄等の同法4条1項にいう「資産」又は同法(平成11年法律第160号による改正前のもの)8条1項にいう「金銭又は物品」該当性
2 生活保護法による保護を受けている者が子の高等学校修学費用に充てる目的で加入した学資保険の満期保険金について収入の認定をして保護の額を減じた保護変更決定処分が違法であるとされた事例
- 裁判要旨
1 生活保護法による保護を受けている者が同法の趣旨目的にかなった目的と態様で保護金品又はその者の金銭若しくは物品を原資としてした貯蓄等は,同法4条1項にいう「資産」又は同法(平成11年法律第160号による改正前のもの)8条1項にいう「金銭又は物品」に当たらない。
2 生活保護法による保護を受けている者が,同一世帯の構成員である子の高等学校修学の費用に充てることを目的として満期保険金50万円,保険料月額3000円の学資保険に加入し,保護金品及び収入の認定を受けた収入を原資として保険料を支払い,受領した満期保険金が同法の趣旨目的に反する使われ方をしたことなどがうかがわれないという事情の下においては,上記満期保険金について収入の認定をし,保護の額を減じた保護変更決定処分は,違法である。
- 参照法条
生活保護法1条,生活保護法4条1項,生活保護法(平成11年法律第160号による改正前のもの)8条,生活保護法10条,生活保護法(平成9年法律第124号による改正前のもの)11条1項,生活保護法13条,生活保護法25条2項
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