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最高裁判所判例集

事件番号

 平成12(受)56

事件名

 取立債権請求事件

裁判年月日

 平成16年6月10日

法廷名

 最高裁判所第一小法廷

裁判種別

 判決

結果

 破棄自判

判例集等巻・号・頁

 民集 第58巻5号1178頁

原審裁判所名

 大阪高等裁判所

原審事件番号

 平成9(ネ)255

原審裁判年月日

 平成11年9月30日

判示事項

 1 破産宣告を受けた有限会社の取締役と火災保険約款の免責条項所定の「取締役」
2 有限会社の取締役が会社の破産宣告後にした放火による建物の焼失が火災保険約款の免責条項所定の「取締役」の故意による事故招致に当たるとされた事例

裁判要旨

 1 有限会社の取締役は,会社が破産宣告を受けた後であっても,火災保険の保険契約者又は被保険者の取締役の故意等によって生じた損害に対しては保険金を支払わない旨の約款中の免責条項にいう「取締役」に当たる。
2 有限会社を保険契約者兼被保険者として締結された火災保険契約に適用される約款中に,保険契約者又は被保険者の取締役の故意等によって生じた損害に対しては保険金を支払わない旨の免責条項がある場合において,当該有限会社の取締役が会社の破産宣告後に保険の目的である建物に放火し,当該建物が焼失したという事実関係の下では,上記放火による建物の焼失は,上記免責条項にいう「取締役」の故意による事故招致に当たる。

参照法条

 有限会社法32条,商法254条3項,商法641条,商法665条,民法91条,民法653条,破産法7条

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