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最高裁判所判例集

事件番号

 平成14(受)808

事件名

 損害賠償請求事件

裁判年月日

 平成16年11月5日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 民集 第58巻8号1997頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

 平成13(ネ)1419

原審裁判年月日

 平成14年2月27日

判示事項

 「無所有共用一体社会」の実現を活動の目的としている団体に加入するに当たり全財産を出えんした者がその後同団体から脱退した場合に合理的かつ相当と認められる範囲で不当利得返還請求権を有するとされた事例

裁判要旨

 甲が,「無所有共用一体社会」の実現を活動の目的としている団体乙に加入するに当たり,乙との約定に基づき乙に対し全財産を出えんし,その後乙から脱退した場合において,終生乙の下で生活を営むことを目的とし,これを前提として出えんをしたこと,脱退するまでの相当期間乙の下で生活をしていたこと,自己の提供する財産が乙や他の構成員のためにも使用されることを承知の上で出えんをしたことなど判示の事情の下では,甲は,乙に対し,出えんした財産の総額,甲が乙の下で生活をしていた期間,その間に甲が乙から受け取った利得の総額,甲の年齢,稼働能力等の諸般の事情及び条理に照らし,甲の脱退の時点で甲への返還を肯認するのが合理的かつ相当と認められる範囲につき,不当利得返還請求権を有する。

参照法条

 民法703条

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