裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
平成16(許)19
- 事件名
情報提供又は協議禁止仮処分決定認可決定に対する抗告審の取消決定に対する許可抗告事件
- 裁判年月日
平成16年8月30日
- 法廷名
最高裁判所第三小法廷
- 裁判種別
決定
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
民集 第58巻6号1763頁
- 原審裁判所名
東京高等裁判所
- 原審事件番号
平成16(ラ)1323
- 原審裁判年月日
平成16年8月11日
- 判示事項
第三者との間で会社の営業の移転等に関する協議を行うことなどの差止めを求める仮処分命令の申立てについて保全の必要性を欠くとされた事例
- 裁判要旨
甲社と乙社らとの間で乙社らグループから甲社グループに対する乙社の営業の移転等から成る事業再編等に関して交わされた基本合意書中に,第三者との間で基本合意の目的と抵触し得る取引等に係る協議を行わないことなどを相互に約する旨の条項があり,甲社が,乙社らにおいてこの条項に違反したことなどを理由として,乙社らが第三者との間で上記営業の移転等に関する協議を行うことなどの差止めを求める仮処分命令の申立てをした場合において,乙社らが上記条項に違反することにより甲社が被る損害は,上記基本合意に基づく最終的な合意が成立するとの期待が侵害されることによるものにとどまり,事後の損害賠償によっては償えないほどのものとまではいえないこと,甲社と乙社らとの間で上記最終的な合意が成立する可能性は相当低いこと,上記申立てが認められた場合に乙社らが被る損害は相当大きなものと解されることなど判示の事情の下では,上記申立ては,保全の必要性を欠く。
- 参照法条
民事保全法23条2項,民事保全法24条
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