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最高裁判所判例集

事件番号

 平成1(行ツ)99

事件名

 損害賠償

裁判年月日

 平成3年3月8日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 判決

結果

 その他

判例集等巻・号・頁

 民集 第45巻3号164頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

 昭和62(行コ)21

原審裁判年月日

 平成元年5月30日

判示事項

 漁港管理者である町が漁港水域内の不法設置に係るヨット係留杭を法規に基づかずに強制撤去する費用を支出したことが違法とはいえないとされた事例

裁判要旨

 漁港管理者である町が当該漁港の区域内の水域に不法に設置されたヨット係留杭を漁港管理規程が制定されていなかったため法規に基づかずに強制撤去する費用を支出した場合において、右係留杭の不法設置により、その設置水域においては、漁船等の航行可能な水路が狭められ、特に夜間、干潮時に航行する漁船等にとって極めて危険な状況が生じていたのに、右係留杭の除却命令権限を有する県知事は直ちには撤去することができないとし、その設置者においても右県知事の至急撤去の指示にもかかわらず、撤去しようとしなかったなど判示の事実関係の下においては、右撤去費用の支出は、緊急の事態に対処するためのやむを得ない措置に係る支出として、違法とはいえない。

参照法条

 民法720条,漁港法26条,行政代執行法2条,地方自治法2条3項1号,地方自治法242条の2第1項

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