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最高裁判所判例集

事件番号

 平成8(オ)2224

事件名

 預託金返還等請求事件

裁判年月日

 平成12年2月29日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 判決

結果

 破棄自判

判例集等巻・号・頁

 民集 第54巻2号553頁

原審裁判所名

 大阪高等裁判所

原審事件番号

 平成7(ネ)2501

原審裁判年月日

 平成8年7月4日

判示事項

 一 破産管財人が破産法五九条一項に基づく解除権を行使することができない場合
二 年会費の定めのある預託金会員制ゴルフクラブの会員が破産しても破産管財人が破産法五九条一項により会員契約を解除することができないとされた事例

裁判要旨

 一 破産宣告当時双務契約の当事者双方に未履行の債務が存在していても、契約を解除することによって相手方に著しく不公平な状況が生じるような場合には、破産管財人は破産法五九条一項に基づく解除権を行使することができない。
二 年会費の定めのある預託金会員制ゴルフクラブの会員が破産した場合において、破産管財人が会員契約を解除すると、破産財団は殊更解除に伴う財産的な出えんを要しないのに、ゴルフ場経営会社は、ゴルフ場施設を利用可能な状態に保持しこれを会員に利用させなければならない状況に変化がないまま、据置期間内の預託金を即時返還しなければならず、両者の均衡を失しており、同会社が右の不利益を破産法六〇条により回復することは困難であり、年会費支払義務が会員契約において付随的なものにすぎないなど判示の事情の下では、右解除により同会社に著しく不公平な状況が生じるということができ、破産管財人は、同法五九条一項により会員契約を解除することができない。

参照法条

 破産法59条1項,民法第3編第2章契約

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