裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
昭和63(行ツ)152
- 事件名
更正処分等取消
- 裁判年月日
平成2年6月5日
- 法廷名
最高裁判所第三小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
破棄自判
- 判例集等巻・号・頁
民集 第44巻4号612頁
- 原審裁判所名
福岡高等裁判所
- 原審事件番号
昭和60(行コ)17
- 原審裁判年月日
昭和63年6月29日
- 判示事項
所得税の確定申告において租税特別措置法(昭和六三年法律第一〇九号による改正前のもの)二六条一項に基づくいわゆる概算経費により事業所得金額を計算していた場合に修正申告においていわゆる実額経費に変更することが許されるとした事例
- 裁判要旨
歯科医師が、所得税の確定申告において、租税特別措置法(昭和六三年法律第一〇九号による改正前のもの)二六条一項に基づくいわゆる概算経費により事業所得金額を計算していた場合に、診療経費総額を自由診療収入分と社会保険診療報酬分に振り分ける計算を誤り、自由診療収入分の必要経費を正しく計算した場合よりも多額に、社会保険診療報酬分の実額経費を正しく計算した場合よりも少額に算出したため、右実額経費によるよりも概算経費による方が有利であると判断して後者を選択したものであり、診療総収入から控除されるべき必要経費の計算には誤りがあるなど判示の事実関係の下においては、修正申告をするに当たり、確定申告における必要経費の計算の誤りを是正する一環として、概算経費選択の意思表示を撤回し、実額経費を社会保険診療報酬の必要経費として計上することが許される。
- 参照法条
国税通則法19条1項,所得税法27条,所得税法(昭和62年法律第96号による改正前のもの)37条1項,租税特別措置法(昭和63年法律第109号による改正前のもの)26条1項,租税特別措置法(昭和63年法律第109号による改正前のもの)26条3項
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