裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
平成5(オ)1751
- 事件名
各損害賠償
- 裁判年月日
平成9年3月13日
- 法廷名
最高裁判所第一小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
民集 第51巻3号1233頁
- 原審裁判所名
東京高等裁判所
- 原審事件番号
平成1(ネ)1556
- 原審裁判年月日
平成5年3月5日
- 判示事項
一 シベリア抑留者が日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との共同宣言六項後段に定める請求権放棄により受けた損害につき憲法二九条三項に基づき国に対して補償を請求することの可否
二 シベリア抑留者が長期にわたる抑留と強制労働により受けた損害につき憲法一一条、一三条、一四条、一七条、一八条、二九条三項及び四〇条に基づき国に対して補償を請求することの可否
三 国が連合国最高司令官総司令部の発した覚書に従い南方地域から帰還した日本人捕虜に対して抑留期間中の労働賃金を決済する措置を講じてきたことを理由としてシベリア抑留者が憲法一四条に基づき国に対して抑留期間中の労働賃金の支払を請求することの可否
- 裁判要旨
一 シベリア抑留者は、日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との共同宣言六項後段に定める請求権放棄によりソヴィエト社会主義共和国連邦に対して損害の賠償を求めることが実際上不可能となったことによる損害につき、憲法二九条三項に基づき国に対して補償を請求することはできない。
二 シベリア抑留者は、長期にわたる抑留と強制労働により受けた損害につき、憲法一一条、一三条、一四条、一七条、一八条、二九条三項及び四〇条に基づき、国に対して補償を請求することはできない。
三 国が、連合国最高司令官総司令部の発した覚書に従い、戦時捕虜としての所得を示す証明書を示したオーストラリア、ニュージーランド、東南アジア地域などの南方地域から帰還した日本人捕虜に対して抑留期間中の労働賃金を決済する措置を講じてきたとしても、シベリア抑留者は、憲法一四条一項に基づき、国に対して抑留期間中の労働賃金の支払を請求することはできない。
- 参照法条
憲法11条,憲法13条,憲法14条,憲法17条,憲法18条,憲法29条3項,憲法40条,日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との共同宣言6項後段
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