昭和28(オ)1389

 離婚請求

 昭和33年7月25日

 最高裁判所第二小法廷

 判決

 破棄差戻

 民集　第12巻12号1823頁

 東京高等裁判所

 昭和28年11月28日

 一　人訴第四条の趣旨。

二　離婚訴訟と民訴第五六条適用の有無。

三　民法第七七〇条第一項第四号と同条第二項の法意。

 一　人訴第四条は、後見監督人または後見人が禁治産者の法定代理人としてその離婚訴訟を遂行することを認めたものではなく、その職務上の地位に基き禁治産者のため当事者として右訴訟を遂行しうることを認めた規定と解すべきである。

二　離婚訴訟については、民訴第五六条の適用がない。

三　民法第七七〇条第一項第四号と同条第二項は、単に夫婦の一方が不治の精神病にかかつた一事をもつて直ちに離婚の請求を理由ありとするものと解すべきでなく、たとえかかる場合においても、諸般の事情を考慮し、病者の今後の療養、生活等についてできるかぎりの具体的方途を講じ、ある程度において、前途に、その方途の見込のついた上でなければ、ただちに婚姻関係を廃絶することは不相当と認めて、離婚の請求は許さない法意であると解すべきである。

 人事訴訟手続法4条，民訴法56条，民法770条

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