裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
昭和30(オ)260
- 事件名
詐害行為取消請求
- 裁判年月日
昭和36年7月19日
- 法廷名
最高裁判所大法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
破棄差戻
- 判例集等巻・号・頁
民集 第15巻7号1875頁
- 原審裁判所名
仙台高等裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和29年12月28日
- 判示事項
一 特定物引渡請求権者は詐害行為取消権を有するか。
二 抵当権の附着する不動産を提供してなされた代物弁済と詐害行為成立の範囲。
三 右の場合における原状回復の方法。
- 裁判要旨
一 特定物引渡請求権を有する者も、その目的物を債務者が処分することにより無資力となつた場合には、右処分行為を詐害行為として取り消すことができるものと解すべきである。
二 抵当権が設定してある家屋を提供してなされた代物弁済が詐害行為となる場合に、その取消は、家屋の価格から抵当債権額を控除した残額の部分に限つて許されると解すべきである。
三 前項の場合において、取消の目的物が一棟の家屋の代物弁済で不可分のものと認められるときは、債権者は一部取消の限度で価格の賠償を請求する外はない。
- 参照法条
民法424条